安全で丁寧な手術を
当院で白内障手術をお考えの方へ
眼の中のレンズである水晶体が濁ることで、物が見づらくなるのが白内障です。80歳代では高率に認められます。
医師から手術を勧められた段階で手術を受けるのが望ましいと考えております。 一般的な手術のタイミングは「見え方に困ってきたら」ですが、その限りではありません。適切な時期に手術がされないと、手術時間が長くなったり、術後の見え方にも影響を及ぼすことがあります。
したがって当院では、水晶体が硬めの方、緑内障を患っている方 (場合により白内障と緑内障の同時手術)、日常生活動作の低下傾向の方などは、将来的なことも見据えて比較的早めの手術をお勧めすることがあります。また当院では、術後の見え方にこだわるだけでなく、痛みのない安全で丁寧な手術を信条にしております。
手術の方法
- 受付の後、手術室の前室でヘアーキャップと専用ガウンを着用、点眼薬にて散瞳します。
- 手術室に入り、仰向けの状態になります
- 強力な点眼麻酔の後、お顔を布で覆います。図①
- 眼の表面(角膜)を切開します。図②
- 水晶体の袋を残し、濁った水晶体のみを除去します。図③
- 残った水晶体の袋に眼内レンズを挿入します。図④
- 傷口を閉じて手術を終えます。図⑤
- 手術室の前室のソファーでお休みいただきます。
- お会計‧ご帰宅となります。タクシーが必要であれば当院で手配いたします。
点眼麻酔をします。
眼の表面(角膜)を切開します。
濁った水晶体を取り除きます。
眼内レンズを挿入します。
傷口を閉じて手術を終えます。
眼内レンズの種類
大きく分けて、単焦点レンズと多焦点レンズに分かれます。
①単焦点レンズは、一点にピントが合いますが、それ以外にはピントが合わず、眼鏡が必要になります。下記のように遠くにピントが合っている場合には、近くはぼやけるため、老眼鏡が必要です。
②一方、多焦点レンズでは、下記のように裸眼で遠くも近くも比較的よくピントが合うため、眼鏡を使う頻度はかなり減ります。ただし、暗い場所では光が少し散乱することで、光の周辺に輪がかかって見える現象(*ハロー・グレア現象)を自覚しやすくなります。
*ハロー・グレア現象のイメージ
正常眼
ハロー・グレア現象
各レンズにおける見え方のイメージ
①保険診療で扱う単焦点レンズ
保険診療で扱う単焦点レンズを使用した場合です。裸眼でピントが遠方か近方の1カ所になります。したがって近方用か遠方用の眼鏡が必要になります。
②保険診療で扱う多焦点レンズ
保険診療で扱う多焦点レンズ(レンティス コンフォート®が代表)を使用した場合です。中間から遠方は裸眼で見えますが、手元を見る際には眼鏡が必要です。ただし、眼球形状によってはレンズを挿入できない場合があります。
③選定療養あるいは自由診療で扱う多焦点レンズ
選定療養あるいは自由診療で扱う多焦点レンズです。裸眼で遠方から近方までピントが合うので、9割の方は眼鏡不要です。
当院取扱の多焦点眼内レンズ一覧
手術費用 (レンズ代金を含む)
①単焦点レンズ・保険適応の多焦点眼内レンズを使用の場合、片眼につき
※1割負担、2割負担の方の場合、ひと月の医療費支払い上限額は1万8千円となります。
②選定療養の多焦点眼内レンズを使用の場合、片眼につき
上記保険診療代に加えて、27万円、乱視矯正の場合にはプラス3万円
③自由診療の多焦点眼内レンズを使用の場合 、片眼につき
45万円〜55万円、乱視矯正の場合にはプラス3万円〜5万円
白内障手術代と多焦点眼内レンズ代の他に、術後3ヶ月間の診察代・検査代・ 投薬代の全てを含んだパッケージ費用となります。
良くあるご質問 Q & A
Q. 手術を受けるのに適した時期はいつですか?
A. 一般的な手術のタイミングは「見え方に困ってきたら」、つまり「水晶体が混濁してきたら」ですが、その限りではありません。年齢、生活状況、緑内障などの他疾患の状態も含めて、総合的に判断する必要があります。
Q. 何歳まで手術が受けられますか? 体力的なことが心配です。
A. 手術の内容をご理解いただける方であれば、90歳代の方もたくさん手術を受けて頂いております。極小切開手術なので体のご負担はほとんどありません
Q. 眼の手術は怖いのですが、大丈夫でしょうか? 特に痛みが心配です。
A. 症例経験豊富な院長が執刀し、責任を持って安全で丁寧な手術を実施いたします。手術時間は通常5分~10分程度、傷口はわずか2.4mmです。強力な点眼麻酔にて行い、殆ど痛みはありません。それでもご心配な方のために追加の麻酔方法もご用意してあります。手術中は原則、顕微鏡の光をぼんやり見ていただくだけ結構です。メスなどの器具が見えることもないのでご心配ありません。手術の方法もご参照ください。
Q. 遠視や近視だけでなく、乱視も治りますか?
A. はい。遠視や近視の矯正だけでなく、当院では出来るだけ乱視を軽減させるレンズを積極的に使用しております。
Q. 手術後はメガネ無しの生活はできますか?
A. 単焦点レンズを選択された場合、見たい距離によって眼鏡が必要です。一方、多焦点レンズ (選定療養のレンズ、自由診療のレンズ) を選択された場合、9割の方は眼鏡が不要になります。眼内レンズの種類、各レンズにおける見え方のイメージ図、当院取扱の多焦点眼内レンズ一覧もご参照ください。
Q. 術後何日で視力回復しますか? 運転はいつから再開できますか?
A. 個人差はありますが、3日ほどである程度回復します。運転については、術後に眼鏡の度数変更が必要な方、もともと裸眼で運転できる方、視力の回復具合など、患者様によって状況が大きく異なりますので個別で相談いたします。
Q. 手術後、仕事はいつから始められますか?
A. デスクワークであれば翌日から、汗をかくようなお仕事は術後3、4日目以降となります。農作業は最低でも2週間程度は控えて下さい。
Q. 手術当日、付き添いは必要ですか?
A. はい。術後に眼帯をするので片眼が見えない状態になります。原則、お付き添いをお願いしております。しかし、どうしても不可能な場合は個別に相談いたします。
Q. 術後に気を付けることを教えて下さい。
A. たくさんありますので、資料を使って院長とスタッフで丁寧に説明します。最も気をつけることは、術後の細菌性眼内炎です。術直後は何の問題もなく、鮮明に見えるようになったのに、術後3~7日頃に急に見にくくなり、強い痛みやひどい充血が生じた場合には、この合併症の可能性があります。したがって、術翌日、術3日目か4日目、術6日目には必ず診察を受けて頂きます。
Q. 白内障手術をしても、また再び見づらくなると聞いたことがありますか?
A. はい。挿入したレンズの裏に濁りが付着すると見え方が悪くなります。これは後発白内障と呼ばれ、日帰りレーザーにて視力を回復させることができます。
Q. 金額はいくらでしょうか? 特に多焦点レンズはかなり高額と聞いています。
A. 単焦点レンズであれば、保険診療にて窓口負担額は、片眼で1万8千円〜5万2千円程度です。
一方、多焦点レンズであれば、片眼であっても28万円〜60万円です。手術費用 (レンズ代金を含む)をご参照下さい。
Q. 完全に保険適応の多焦点レンズがあると聞いたことがあります。
A. 高額な負担を避けたい方に対して、当院では有効な手段があります。当院では完全保険適応のレンティス コンフォート (遠方と中間距離の多焦点レンズ) を積極的に用いております。それにより患者様の窓口負担額を片眼で1万8千円〜5万2千円程度に抑えることできます。ただし、眼の状態によっては適応外になることがありますので、診察の上で決めさせて下さい。各レンズにおける見え方のイメージ図、当院取扱の多焦点眼内レンズ一覧もご参照ください。
Q. 現在、自宅から一番近い眼科に通院しています。手術だけをそちらでお願いできますか?
A. もちろん可能です。その場合、紹介状をご持参ください。現在、近隣だけで無く、市外の眼科医院様からもご紹介頂いております。当院で手術と術後数回の通院の後に前医にお戻りいただきます。その際、診療情報提供書を書かせていただきます。